人形劇団あんど娘(大槌町)

令和元年度「岩手県元気なコミュニティ特選団体(自分たちの住む地域の活性化のために自主的に取り組む岩手県内の団体)」に選ばれた、大槌町民でつくる人形劇団「あんど娘」の小國忠義事務局長から、劇団の活動についてお話を伺いました。

〇キャッチフレーズ  震災を乗り越え、ふるさと・おおつちの情景を伝える人形劇

平成6年、大槌町中央公民館安渡分館での町民教室「郷土の民話と人形劇」を受講した当時の女性たちが、広く地域に根差した団体活動を行うサークルとして「人形劇団あんど娘」を結成したもの。

東日本大震災により人形及び舞台装置等備品が流失し、活動できない状況になってしまったが、平成27年に町と「人形劇団あんど娘」の再開に向け協議、劇団の総会を開催し、全員一致で再開に向けて再出発を決定。町主催のイベント「おおつちバラエティーショー」に呼応し、活動の復活を果たした。

平成28年、NHK「ふるさとの情景」(盛岡劇場)に出演。安渡弁のセリフに感動され、涙を流している方もあった。震災で地元を離れ、盛岡で暮している人たちに感謝された。NHKさんには、台詞の録音の仕方、効果音響の指導をいただきながら、よりよい協力関係を保っている。

平成29年、宮城県仙台市のせんだいメディアテークで行われた「第4回S(支え合い)1いがす大賞」(※)において、「人形劇団あんど娘」は見事、準大賞!を受賞、平成30年には、町放課後子供教室公演のほか、盛岡公演(元大槌町在住者との懇談会「大槌のお茶っこの会、笑顔であいましょう」)を実施した。

子どもたちへの情操教育、参加メンバーを含む地域高齢者の生きがい創出、町外転出した被災者との交流、安渡地区及び町内の文化活動活性化を目的として、皆、仲良く楽しく活動を続けている。

令和元年には、高台移転等の影響で安渡地区を離れたメンバーにとっては、生まれ育った地域と繋がり続けるきっかけとなっていることなどを評価してもらい、「人形劇団あんど娘」は「岩手県元気なコミュニティ特選団体」となった。

小國事務局長は、「現在、学校のない安渡地区において、『人形劇団あんど娘』と老人クラブの活動は、町内会活動をしのぐ存在である。」と感じているとのこと。

現在は、コロナ禍のため、劇団の活動は休止中。団員女性軍はマスク作りに大忙しであるが、「いつからやる?」と団員から問合せももらっている。距離ルールづくりなど感染症対策をした上で、どのように活動を継続していくか相談していかなければならないと思っている。

※「いがす大賞」東日本大震災被災地地域の復興を後押しする住民活動やつながりなど、地域・人を想う熱い気持ちのこもった支え合い活動を発表するコンテストで、平成25年から仙台市で行われてきた。

あんど娘

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